当サイトは東日本大震災を被災したマンション管理組合関係者(マンション居住者、管理組合理事長・役員、管理会社担当者、管理員、工事担当者、設計事務所、マンション管理士等)の体験談を紹介しています。
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2011/08/26

Z-01-3 福島市在住・マンション管理士の体験談3

2011年08月26日寄稿
福島市在住マンション管理士
(管理会社の不在)
当マンションも管理会社に全面委託をしているのですが、この間、その西日本本社、仙台支店ともに、音信不通で全く存在感がありません。管理員は通常の決められた仕事以外には気が廻らず、機転の効いた行動ができません。私に指示権限はありませんが、この場合そんなことを言って居られませんから、揚水ポンプの停電時、復旧時の電源オン・オフを指示したり、日頃全く使用していない集会室を居住者の便利に開放する等、考え付くことを実施して行きました。その後数日して管理会社のフロントから電話連絡がありましたが、その言うことは、要は動けない、申し訳ないというだけです。当マンションのように被害が軽微であったから事なきを得ていますが、こんな時だからこそ多方面のトラブルに対処できるホ-ムドクタ-役として地元の業者が管理に関わっていない場合は、マンション住民は困ってしまうなとつくづく感じたものです。事実、3月の定例理事会は、フロントが来られる見込みがない等の事情と大震災という時節を考慮して、マンション側から中止を管理会社に進言せざるを得ませんでした。本来であれば、非常時にも拘らず為される諸決定や住民へのアナウンスは、日頃ともすれば無関心に流れがちな住民に、理事会活動を通して、マンション管理の重要性を認知してもらう絶好機になるのですが・・・・。

水道等のインフラが正常に戻り食料の買出しも必要がなくなった頃、フロントが来る代わりに西日本本社の面々が当マンションの住民宛てに“慰問袋”を持参しました。その内容は、非常用飲料水ボトルが数ダース、即席めん、チョコ等の菓子類ですが、これが断水時や震災直後の買出しに明け暮れていた時であれば、タイムリーヒットに感激したことでしょう。この間、住民からは「管理会社の顔が見えない」「いつも大事な時の立上がりが遅い」、いろいろな批判が出ていました。誰もが先ず自分の家族の生活を確保しなければならないのはやむを得ないと理解するとしても、住民は直接声高に非難することを差し控えてはいますが、気の抜けたソーダ水のようなサービス感を受けたのだと思います。そしてフロントが当マンションに現れたのは3月末でした。

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